单项选择题
A
世界遺産への関心が高まるのは喜ばしい。各地で登録をめざす動きも活発化してい る。新聞をはじめとしたメディアがそれらを報じる機会も増えた。ただ、いつも気に なるのは、そこに「地元では観光振興に結びつくのを期待している」といったたぐい の文言が、必ずと言ってよいほど目につくことだ。 私としては、観光経済効果の拡大を否定はしないし、文化財保護との両立はできる と考えている。しかし、近年の状況を眺めると、遺産の保護という基本理念が、あま りにも置き去りにされてしまってはいないだろうか。
(中村俊介『世界遺産が消えてゆく』による)
B
日本では映像や書籍など、さまざまなメディアで世界遺産を商品化し、パッケージ ツアーが数多く組まれ、観光産業と深く結び付く。だが、それは本当に建築や自然を 愛し、歴史への理解を深める人間を増やしているのだろうか。
(中略) 世界遺産であろうとなかろうと、建築の価値は個別に判断すればいい。人間も肩書き だけで、すべてを理解できないだろう。世界遺産に認定されたからといって、株のよ うに、建築の価値が上昇するわけではない。むろん、観光資源として巨額の富をもた らすだろうが、モノとしては同じままである。私が気になるのは、世界遺産だけを特 別視するあまり、逆にそれ以外のものはがんばって保存しなくてもいいという風潮を 助長するのではないかということだ。
(五十嵐太郎 『建築はいかに社会と回路をつなぐのか』による)
近年の世界遺産について、A と B が共通して認識している点は何か。
A.世界遺産の報道のしかたが過剰になってきている。
B.世界遺産への登録をめざす動きが過熱している。
C.世界遺産への登録で登録以前より価値が上がる。
D.世界遺産は観光振興と密接に関係している。