单项选择题
(二)
四季を通じて、私は秋という季節が一番好きである。もっともこれは、たいていの人に共通の好みであろう。元来日本という国は、気候的にあまり住みよい国ではない。夏は湿気が多く、蒸暑いことで71世界無比といわれているし、春は空が低く憂鬱であり、冬は紙の家の設備に対して、寒さがすこしひどすぎる。しかも、その紙の家でなければ、夏の暑さがしのげないのだ。日本の気候では、ただ秋だけが快適であり、よく人間の生活環境に適している。
( 72 )私が秋を好むのは、73こうした一般的な理由以外に、特殊な個人的な意味もあるのだ。というのは、秋が戸外の散歩に適しているからである。元来、私ははなはだ(非常)趣味や道楽のない人間である。釣魚とか、ゴルフとか、 美術品の収集などという趣味娱楽は、私の全く知らないところである。碁、将棋の類は好きであるが、友人との交際がない私は、めったに手合せする相手がないので、結局74それもしないでしまいでいる次第だ。旅行ということも、私はほとんどしたことがない。( 75 )、荷造りや旅費の計算が面倒であり、それに宿屋に泊ることが嫌だからだ。
文中の「世界無比といわれている」とはどんな意味か。