单项选择题

私たちはなぜ観光をしたくなるのでしょうか。細かい条件にこだわらないで大胆に
 
(注 1)述べるならば、それは「変化」を求めるということです。私たちの感覚は 同じ刺激を受け続けていると、その強さ、性質、明瞭性などはしだいに弱まりま
す。著しい場合には刺激の感覚が消失することもあり、こうしたことを感覚の順応

 
 
 
といいます。風呂の湯の熱い温度や腕時計を付けたときの違和感(注 2)など、初
 
めは鮮明な感覚であっても数分もしないうちに減衰(注 3)してしまいます。同様 のことが日々の体験についてもいえるでしょう。(中略)よく言えば慣れてくる、
悪く言えば飽きてくるのです。そこで人は新たな刺激、つまり日常に存在しない感
 
覚や感動を求めるのです。そのために新しい刺激をもたらす(注 4)ための「変 化」が必要になります。変わった珍しいコトやモノを手に入れても、日常生活がベ
 
ース(注 5)になっていたのでは「変化」は日常の一部分にしかなりません。より 劇的な「変化」を求めるには自らが「変化」の中へ入る、すなわち日常と離れた場
所へ移動することでそれは達成されます。自分の家の近所へ移動した程度ではそれ
 
ほどの変化は得られません。遠くへ離れれば離れるほど、見知らぬ(注 6)町並み や自然の風景、聞き慣れない言葉や音楽、初めての味や香りなどが立ち表れてくる
のです。外国で異文化に接するとき、この「変化」は最大になり、自分自身を除く 周囲のすべてが「変化」した状態となるのです。
(堀川紀年・石川雄二・前田弘編『国際観光学を学ぶ人のために』による)
 
(注 1)大胆に:思い切って
 
(注 2)違和感:いつもと違う感じ
 
(注 3)減衰する:ここでは、少しずつ弱くなっていく
 
(注 4)もたらす:ここでは、生み出す
 
(注 5)ベース:土台
 
(注 6)見知らぬ:見たことがない
 
こうしたこととは、どのようなことか。
A、1 与えられる刺激が弱まると、その感じ方も弱まること
B、2 刺激を受ける回数が減ると、その刺激に反応しなくなること
C、3 同一の刺激を受けていると、その刺激を感じにくくなること
D、4 強弱の違う刺激を受けていると、その違いを感じなくなるこ